ユーリ・ノルシュテイン展

ユーリ・ノルシュテインさんをご存知ですか?

12/6~1/31,2014@i pesci


現在、ギャラリーipesciにて展示させていただいている作品についての説明いたします。
私も映像で見たことのある作家さんでしたが(巨匠です。)まさか展示ができるとは
思っていませんでした。ぜひ皆さんにもご興味いただければと思っています。


ノルシュテインさんは世界的に知られるロシアのアニメーション作家の方です。
アニメと言っても、日本のテレビアニメとは少し違います。
切り紙をカメラの前で動かして、実写とも合成したりして丁寧に時間をかけてじっくり作り、
その深い詩情。幻想的なタッチ。センチメンタルな主題・・・
どれをとってもまさに芸術としかいいようがありません。


今回は、芸術監督でパートナーのフランチェスカ・ヤールブソワさんと一緒に
日本で出版した2冊の魅力的な絵本『きりのなかのはりねずみ』と
『きつねとうさぎ」についての展示となります。


絵本原画展ではなく、制作過程の絵コンテやラフスケッチ、使わなかった表紙絵など、
めったに目に触れることのない資料で絵本ができるまでの様子を展示しています。


なぜイペッシでと思われるかもしれませんが、前回の展示「夜の木展」のタムラ堂の
田村さんが、ノルシュテインさんの編集担当であった縁での開催となりました。


アニメーションと絵本は、一見近いような表現形式ではありますが、
実は、決定的な違いがあります。
ノルシュテインさん自身も指摘していますが、時間の流れに関することです。
アニメーションの場合、作り手(監督)が作品の時間の流れをコントロールしていますが、
絵本の場合は、時間の流れは読者にゆだねられるということです。
絵本は、どういう場面をどのように描くかということがとても重要になってきます。
場面と場面のつなぎ方、「間」をどのように使うかも苦心するところです。
物語全体の展開のリズムにかかわってきますから。


ジブリの宮崎駿監督、高畑勲監督とは旧知の間柄であり多大な影響を与えたという
ノルシュテイン監督が描く世界。


そんなことを気にとめながら楽しんでいただけたら幸いです。








i pesci  仲村 俊介




*絵本の販売もしております。スタッフにお声かけください。


blogもぜひご覧ください。

ユーリ・ノルシュテイン



1941年、旧ソ連アンドレーエフカ生まれ。1961年ソ連国立アニメーション連盟のスタジオでアニメーションを学ぶ。1967年に初めての映画「25日-最初の日」を制作。73年「キツネとウサギ」で初の単独監督作発表。代表作に「アオサギとツル」(1974)、「霧の中のハリネズミ」(1975)、「話の話」(1979)等。
国内外の受賞は30以上に上り、「映像の詩人」として世界中で高い評価を得ている。
現在、1981年に着手したゴーゴリの「外套」の制作を継続中。